JAO(Journal of Aligner Orthodontics)Vol4 2号にて掲載中
クインテッセンス出版 JAO Vol4 2号にて1号に引き続き「患者の理解とモチベーション向上につながる治療説明のポイント(後編)」を掲載中
前回の2024年1号に続き、後編では具体的な患者説明の手順に沿って、実際の症例を解説しています
問診・検査資料から考えられる事前説明の留意点として下記の点を挙げています
◦ 患者の主訴を再度確認する(仕上がりの希望を明確にする)
◦ 顔貌所見:前突感や顔貌のイメージに対する主観を伺う
◦ 口腔内所見:現状の問題点を整理=主訴と一致しているか確認する
◦ 患者自身が自覚あるいは認識していないが改善が必要な問題点をわかりやすく伝える
◦ 患者の尊厳を傷つけるストレートな言い方をしないよう心がける
加えて、今回はトピックに患者の声を聴く「傾聴」についても解説を入れました
実際の症例説明は下記のステップで行っています。 この時、説明はシンプルに分かりやすく、専門用語はできるだけ使わずに説明することを心がけています
最後に
日ごろの患者とのコミュニケーションにおいてわずかな心境の変化を察知し、トラブルの芽に迅速に対処することが肝要である。患者は歯科医師を信頼し、歯科医院を選んだうえで治療を開始してくれたはずであり、誰もトラブルは望んでいない。患者ひとりひとりと良好な関係性を築き、患者に寄り添う伴走者として治療を共に歩む姿勢が伝われば、患者にとって治療が長く困難なものであっても、必ず乗り越えてくれるであろう。いつでも多くの患者に矯正歯科治療を受けて良かった、人生が変わる経験ができたと思ってもらえるよう、そしてその機会に立ち会える責任を感じながら、われわれはアライナー矯正治療に従事しなければならない。そしてその根元に、こうした誠実で堅実なコミュニケーションがあることを再度確認しておきたい。